遠まわりする雛

遠まわりする雛 「古典部」シリーズ (角川文庫)
――板チョコ一枚おみやげです! 折木供恵よりふるえる哀をこめて。



古典部シリーズ第4巻、今巻は短編集。
と言っても純粋に前巻の続きというわけではなく、高校一年生の合間合間で起こったエピソードを繋ぎ合わせた感じか。
あとがきに書かれているけども、各挿話がそれぞれ一年生時の
  ・一学期(5月)……やるべきことなら手短に
  ・一学期(6月)……大罪を犯す
  ・夏休み(8月)……正体見たり
  ・二学期(11月)…心あたりのある者は
  ・冬休み(1月)……あきましておめでとう
  ・三学期(2月)……手作りチョコレート事件
  ・春休み(4月)……遠まわりする雛
にあたるわけだ。
つまりアニメ版は、『氷菓』から今巻までを時系列順に再構成したんやね。


しかしまぁ、ここまで読み通し改めて思う。
京アニはこの地味な作風をよくぞアニメ化しようとしたもんだ。
そしてまぁ、よくぞあんなイイ感じに仕上げたもんだと感心しきりだわ。
ただ、とりあえずアニメ版はここまでで終わっているので、次巻からは未踏領域。
二年生シーズンの古典部がどんな風に活躍するかを楽しみにしながら読み進めていきたいところ。


ところで、千反田も言ってたけど、奉太郎の語彙はやっぱりちょっとおかしい。
高校一年生のそれじゃあないよね。
今巻の“理屈と膏薬はどこにでもくっつく”然り、前巻の“雉を撃つ”然り。
後者は登山用語だっけ?
何にしても並々ならん。かく在りたいものです。