3月のライオン 第5巻
――でもっっ、でもっっ、後悔なんてしないっっ、しちゃダメだっ、だって、私のした事は、ぜったい、まちがってなんか、ない!
うあああああああ! ひーなーたあああああああああ!
……はぁ、はぁ……。
いかんいかん、先走った。
すっごい波乱の引きで幕を下ろすこの巻、しかして一番の涙腺スポットはChapter.43だったりする。
島田八段関係は、ズルいくらいに突き刺さるんよなぁ。
「変わんねぇさ。変わんねぇ、大丈夫だから。焦るな、開……」
あせる気持ちに溺れてた
何度ふり出しに戻ればいいのかと 途方に暮れていた
その気持ちはこれからも 消える訳では無いけれど
うへぇ……しょっぱいわぁ……。
この後、後藤九段がイイ台詞で救いをくれるシーンもまた素敵。
で、話は戻って、ひなのバッドイベントの件。
これは……誰しもがどこかで経験していて、でも具体的にどう潜り抜ければいいのかわからない、黒い記憶。
えぇそうですよ俺だってどれだけページを捲る手に重圧を感じたことか!
友達が虐められたら誰だって助けたいだろうが! でも自分が虐められるのは嫌だろうが!!
だから――心が思うまま友達を助けようとして沼に嵌った自分の選択を間違っていないと断言できるひなの涙に感銘を受けたのは、零だけじゃあない。
過去の傷は、消えない。
けれど、瘡蓋にはなる。
……重い。
でも零ちゃんたちにはどうか負けずに立ち向かってほしい。
それで、なにか、自分まで救われるような気がするから。
――ともあれともあれ。
モモのドヤ顔はクリティカル素材。