“文学少女”と月花を孕く水妖

“文学少女”と月花を孕く水妖 (ファミ通文庫)

――夢を見たという記憶は、残るわ。
   そうして、その記憶が、心をあたためてくれることがあるの。




時は少し巻き戻り、夏。
物語がクライマックスまで来たところで戻るのは酷い、と思ったけど、これはこれで。
遠子先輩や麻貴先輩、さらには流人あたりまで詰め直し、最終局面に挑む助走か。


あぁでも前巻『慟哭の巡礼者』のラストを考えると、遠子先輩の一言一言が切ない。
作中で姫倉ゆりと遠子先輩が重ねて見られていたあたりも拍車駆けまくり。
うううう、登場人物みんなに幸せになってもらいたいと思ったのは久々だわ。
エピローグを読むかぎり、どうしようもない離別フラグ臭がするけども……。


何はともあれ判じるのは月末の最終巻まで待つか。
次『神に臨む作家』の上巻は既に手元にあるんで、下巻発売にタイミングを合わせて読んでいく所存。