最終兵器彼女外伝集 世界の果てには君と二人で

最終兵器彼女外伝集―世界の果てには君と二人で (ビッグコミックススペシャル)

――「二人は! 二人はまた歩きはじめた! 追っ手の目をかいくぐり、目的地を目指した!」
――あっ……「あの光の差した場所へ!」




これが単行本化されるのをどれほど待ち望んでいたことか……無事世に出てくれてマジ嬉しいかぎり。
というわけで、高校時代に狂ったようにハマった『最終兵器彼女』、その外伝集。
俺はこの作者の描く漫画が好きなんだと思っていて、他にも『いいひと。』や『きみのカケラ』にも手を出したりしたけど、それは錯覚で、結局はサイカノが好きなだけなのだった――ということに、この本を手にしてようやく気付く。
ああでもサイカノだったら何でもいいってわけでもなくて、ぶっちゃけメディア展開された作品はどれもこれも肌に合わなかった。
やっぱり『高橋しんが描く最終兵器彼女』が好き。それが一番好き。


さて、これまでは発刊された本編全7巻でも、ちせやシュウジがいっぱいいっぱいの恋をしている間に、うおーよくわからん戦争が起きたりして周囲の人々もこんなに大変な思いしてどうしたものかーという描写(クラスメイトとか家族とかetc.)はたくさんあったけど、今回はさらに主役二人から距離のあるところにいて、しかし同じ世界で何かしらを共有している人々の物語。
それは日常溢れた学校で。
それは非日常に満ちた戦場で。
あるいはまだ見ぬ未来の世で。
そこかしこに、ちせとシュウジがいたという証が転がっている。
なんだか、それだけで嬉しかったり。
恥ずかしいハナシだけど。
ああ、あのとき、俺が受験とからその他諸々のコトで溺れそうになっていたとき、また違う次元の世界で、また違う次元の悩みや苦悩で溺れそうになっていた彼ら彼女らにまた会えた。畜生、涙出そう。