仮面ライダーSPIRITS 第9巻

仮面ライダーSPIRITS(9) (マガジンZKC)

――俺はさ、本当はそんなたいしたヤツじゃねえんだ。
   たいしたヤツになるのはこれからだ。




ようやく刊行最新刊に追いついた。
最近こればっかり読んでる気がするけど、だってしょうがない、面白いんだこれ。
子供の頃に憧れた、今となってはどこか甘っちょろい正義の味方像。
格好悪い名前の技を叫んで放ち、夢みたいな理想を振りかざして走るカレらの姿。
きっと実際にそんな奴らが現れたら滑稽でしょうがないだろうけど――漫画という虚構上だからこそそれを気持ち良く感じられるのだろう。
ああ、どうしようもなく胸が震える。
純粋に正義の味方に憧れていたあの頃の心が疼く。
以前どこかのレビューで「この漫画は恥ずかしげもなく正義を叫んで謳い、そしてその正義が微塵も恥ずかしくない」などと書かれていたのを思い出した。
道理で熱いわけだ。正義ねぇ。
とりあえず第1巻、2号が敵方から誰何されたときの問答が最高だと思う。

     「キサマの作戦目的とIDは!?」
     「正義。仮面ライダー2号