幻想主義

幻想主義 (カドカワコミックスAエース)

――悩むより先ず行動せよ。躊躇は勇気、意志、初速を鈍らせる。




うぉ、まさか1巻完結モノだとは思いもせず。
ともあれこれは、夢見る少女と現実主義ぶってる少年が、なんだかんだのうちに(TRPGしたりして)仲良くなってしまうお話。


俺にだって彼女のような憧れはある。
あるときふと奇妙な化け物が現れたり、またそれを打ち倒す力を持った何者かが助けに来たり、あるいは突然自分にそんな力が宿ったり。
現実にはありえない、それこそ夢見がちな出来事を心のどこかで渇望する。
こんなつまらん“今”を悉くぶち壊せ。


でも……なんだろーなぁ。
この話でも最終話にあるように「今が楽しいのかつまらないのか決めるのも自分次第」だと思うようになったのはいつだったか。
ゲームや漫画や映画や音楽や友達、そんな中にほんのわずかある楽しいコトってのは、結局そのつまらない現実の中にこそあるんだと。
そう、そこかしこに幻想の欠片はあるのだと。
剣と弓と魔法だけが楽しいわけじゃないし、まだまだ決めつけるのは早すぎる。
世の中には、捨てたもんじゃねぇと思えるようなことがきっとある――。


なんて。
ほとんど学生時代に教えられたことだけど、それを、この漫画で久しぶりに思い出した。
でも今は夢ばっかり見て過ごしていたい。
鬱陶しい仕事に追われたくないよなぁ。