バイオーグ・トリニティ 第1巻

バイオーグ・トリニティ 1 (ヤングジャンプコミックス)
――おまえさ、その可もなく不可もなくみたいな人生にどっぷり浸りすぎてて大事なモンなくしてんだぞ?



そう、かねがね思っていたのだ。
俺だけじゃない――多くの読者が、きっと。
大暮維人は、ストーリーテラーと組むべきだって!


とゆわけで、まさかのドリームタッグ爆誕
大暮維人×舞城王太郎のラジカル異能バトル、『バイオーグ・トリニティ』です。
なんつー胸焼けしそうな組み合わせだぜ、と思ってページをめくれば案の定胸焼け。
でも喰い合わせが良いのかして、進むうちにズルズル吸い込まれていく。
まるでこの漫画こそが“穴あき”であるかのように、未知の引力が俺を魅了する。


しかしまぁ久しぶりにツボだわこれ。
タッグ2人のイイトコどりというか、マイナス点を削除した結果というか、かなり輝いてる。

   「俺……この『穴』は自分のためには使わない。フミホのためだけに使う。フミホは、オレが守る」

真っ直ぐに恋する男の熱血は結構素敵だ。
そしてその影で報われない少女がいるって構図も……いや、それは好きじゃないけど。
ともあれ青春群像劇万歳。
おまえの群青を見せてみろ。


ただあのMaijo氏のことだから、この先どう転ぶのかは予想すらつかないわけで。
穴つながりで、いつドリルホールがマイブレインにインしちゃうかもわからんし。
それでも、いつかこの魅了の引力がエゲツない斥力に変わるその瞬間まで見届けたい所存。