summer lights

夏でもないのにアニメ『AIR』のDVDを引っ張り出したのが、俺の過ちだったのです。
AIR 1 初回限定版 [DVD] AIR 2 初回限定版 [DVD] AIR 3 初回限定版 [DVD] AIR 4 初回限定版 [DVD] AIR 5 初回限定版 [DVD] AIR 6 初回限定版 [DVD]
青い空、入道雲潮騒、堤防、ラーメンセット。
いつか見た海沿いの町に、また戻ってきてしまった。
霧島診療所、配線になって久しい駅、そのどれもが懐かしく、どこか寂しい。
そして耳に沁みる“夏影”──そのイントロで、俺の中の赤い実が弾けた。
一気に全12話走破。
SUMMER編を終えてAIR編に続くストーリーの流れに対する感情のこみ上げっぷりは異常。
燃える展開なんてありはしないのに、何故こんなにも手に汗握ってしまうのか。
神尾観鈴という少女。
その仕草の一つ一つが、想いの一つ一つが、その健気に孤独に戦う姿勢が、どうしようもなく俺の胸を震わせてやまない。
それは十年も前に一度経験したはずの、知った道。
なのに、此度の衝撃は過去の比でなかった。


これは神尾観鈴の戦いだ。
そして同時に、神尾晴子の戦い。
我々はディスプレイの外で、腕を持たない鴉の視点で、その凄絶さを見届けることしかできない。
昔はただひたすらに哀しい物語だとしか思わなかったけれど。
違ったのだ、観鈴ちんが救われてないはずがない。

    「ううん、全部した。なにもかもやり遂げた。この夏に、一生ぶんの楽しさが詰まってた」

    「わたし、がんばってよかった」

たくさんの思い出がある──他には何も要らないくらい。
このシーンだけで脱水症状を起こしそう。
おかげで観終えた後も脳内では延々と“銀色”やら“青空”やらが鳴りっぱなし。どうしてくれよう。
っつーか、思い出すだけで涙腺にガタがくるとか、ほんとどうしようもない。
pseudoちん、ぴんちっ(´;ω;`)