さよならピアノソナタ 第4巻

さよならピアノソナタ〈4〉 (電撃文庫)

――哀しい事実は動かせない。
   それでも、最高の、クリスマスにしよう。




あああああああああああああ!

       「これは相原のぶんでこっちは俺のぶんだ!」

俺も混ぜろモブの人!
全力で直巳を殴らないといけない気がする!


……要約するとそんな感じの最終巻、『さよならピアノソナタ』完結です。


出逢いの春、激動の夏、波乱の秋を越えて冬が来た。
フェケテリコ――黒歌鳥としてバンドをしてきた彼らの冬が。
それは大きな舞台と直面する季節であり、そしてなにより、別れの控えた季節だった。
明確な答えは見えたものの、お互いがお互いともに言葉として表せない二人。
いや、二人だけじゃない。
恋は革命なのだ。
直巳も真冬も、千晶も神楽坂先輩だって、その大きな引力を前にして、変わらずにはいられない。
その青春のモヤモヤは周囲を巻き込む渦となり、ここに、一つの結論を叩き出そうとしている。


まぁ全てはナオくんの超絶鈍感スキルがもたらした結果だ。異論は認めない。
3巻の感想のときもその鈍感っぷりには立腹してた記憶があるけど。
今回は輪をかけて更に業腹!
どこまで鈍く、どこまで周りの娘たちを傷つければ気が済むんだ!
ええい貴様なんぞに千晶は勿体ないわっ、彼女は俺が幸せにする!
このヘタレについては、モブの人たちと今回出番の薄かった寺田さんとで是非ボコボコにしてやってほしい。


その分、格好良くキメたのは哲朗なのだった。
ナオがぐずぐずしてる分、自宅での絡みはある種の救い。
エビチリとハモるあたりとか最高すぎるw
極めつけは勿論ラスト、バイクタンデムシーンしかないだろう。
親が子に言っちゃいけない台詞ナンバーワン、いいねぇ。
哲朗が言うからこその意味がある。


――そんなこんなで終着点、そこはやっぱり例の場所。
物語が始まり、二人の運命が結びついたあの場所――《心からの願いの百貨店》。
そう、始まりと終わりが一点に収束する様は綺麗だと思う。
かくして二羽の不器用な鳥たちは互いの手を取り合い、魔法の園を後にする。
振り返らずに羽ばたいてゆけ。
あぁもうキミらは勝手に幸せになるがいいさ!






とゆわけでユーリは俺の嫁
そこだけが最後の譲れないポイント。以上。