さよならピアノソナタ 第3巻

さよならピアノソナタ〈3〉 (電撃文庫)

――いつかきみがやったことと同じだよ。
   話してもわからないやつは、ギターでぶっとばすんだ。




朝早く起きて、ふとページをめくり始めたら、いつの間にか読み終わっていた。
あれ? 俺の二時間はどこへ吹き飛んだ?


とゆわけで、恋と革命の物語『さよならピアノソナタ』第3巻でございます。
なんだこのもどかしさと切なさと息苦しさは!
切なさはロック、とはまさに至言だなと思いました。(作品が違います)


読んでて、あまりに口下手で鈍感質なナオに幾度か苛ついたりした。
いや、口下手なのはまだ仕方がない。
誰だって言いたいことをそのまま言葉にはできないってことくらいわかってる、わかってるんよ。
好きなものを好き、嫌いなものを嫌いと、ユーリのようにスパッと言えたらどれだけ楽か。
ましてやそれが人と人との色恋沙汰となれば――えぇえぇ、よく存じておりますとも。
でも、だからこそ清らかで、どうしようもなく求めてしまうのか。


で、問題は鈍感の点だよね。
たしかに鈍感スキル?は主人公の専売なんだろうけど……これじゃああまりに千晶が可哀想すぎる。
ああもう千晶かわいいよ千晶。
特に楽器店で偶然ナオと鉢合わせて、一緒に練習するあたりとか。
想い人が自分と同じ発想で同じ場所で同じコトをする、それがどんなに嬉しいことか!


……だからその分、ヘタレたナオの許へ窓から押しかけるあたりが余計に切ない。
読んでてツラくなってくる。
ああ畜生、解ってないのは中心にいるナオ当人ばかりなり。
むむむむむ……やっぱり腹立ってきたぞ、自覚症状がない上にハーレムなんて……。
まさにモブクラスメイトが言っていたとおり、

       「ナオ死ね」

が俺の本音だったりする。
ああ羨ましい妬ましい、俺だって女の子に背中乗られて腕立て伏せしたいっつーの。


しかしクラスメイトっていったら、寺田さんだな。
ボスキャラここに降臨、と言わんばかりの存在感。
今までこんな濃いキャラいたっけ?
ああ、この人に足蹴にされながら業務報告をした後、役立たずの烙印を口汚く叩きつけられTai!


――ともあれ。
上にも書いたけど、新キャラのユーリくんが良い奴すぎて困る。
しかも可愛らしく女装しちゃうなんて。
まさにこんな可愛い子が女の子のはずがないだな。
あれ……なにこの、俺の胸の裡に湧き上がる今まで見たことない感情は……?
こんな気持ち知らなハァい!



俺も恋してぇよ!!!!!!!111111