シャカリキ吐息

出掛けるべく駐車場へ赴くと、まるで泥水をかぶったかのように薄汚れたマイカー発見。
「すわ、イジメか!?」と一瞬狼狽えるも、見回す限り他の車もどろどろだったんで、とりあえず心配は無さそうだ。
ってことは、じゃあ、なに? 泥水でも降りましたか?
春一番で騒ぐ関東に、昨日いったい何が起こったのか。
まぁべつに興味無いけど。
塗色が黒なもんだから汚れが目立ってしょうがなくって愚痴らずにいられんわ。


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相部屋の奴が仕事を辞めるらしい。
俺より年齢も勤務年数も上なんだけど、どうやら改めて大学の修士だかなんだかを受験し直したいんだとか。
今まで何人も辞めていった人を見ているけど――やっぱりそういうのって、少しムカつく。
勿論その人なりのやむにやまれぬ事情ってのもあるだろうし、与り知らぬところで抱えている悩みだってあるかもしれない。
でもさ、定数枠の試験をくぐって――同じ志を持った人間を何人も蹴落として手に入れた現在の位置を、やっぱり他の仕事に就きたいから、って理由で捨ててしまう人には抵抗を感じてしまうのも事実。
しかもそれが好きじゃないタイプの奴だから余計なんだろうなぁ。
うううう、同僚を好きだ好きじゃないだと差別視してる時点で俺はなんてコドモなんだと思うけどさ……。