とらドラ4!

とらドラ! 4 (電撃文庫 た 20-6)

――結局六畳間の距離感で、せせこましくくっついているのよ。




本を読んだ後に押し寄せる余韻、いわゆる読後感というものは本によってそれぞれで、作品の面白さとイコールでなく、要はどれだけその物語世界に没入できていたかで変わってくると思う。
そしてこの作品は、そんな読後感がえげつないくらいに押し寄せてくるから堪らない。
勿論いい意味でだ。
レイニー止めとは正逆の快さ。
打ち上げ花火で引き、っていいよね、シチュ的に。



さて、ハジけっぷりを全体的に抑えめの今巻、にもかかわらず(俺のハートに対する)威力は上昇する一方である。
ブコメ中のラブ比率が高い。
ああ、すげぇすげぇ、読みながらドキドキする、俺も幽霊見てぇよ。
物語としては……ようやくヒロイン三人のフラグが立ったって感じだろうか。
正直、みのりんは賑やかしでしかなく、亜美は出だしから噛ませ犬ポジションなんだろうと思っていたけれど、いやいやいやいや、案外わっかんねぇ具合になってきましたよ?
……え、北村? うん、キミは間桐慎二に続く第二のワカメを名乗るといい。
とはいえ最強の座は逢坂以外にありえないよ俺の中で。
さっきも言った花火のシーンで、持ち上げた空虚な手に胸キュンした。
今まで当然のように続いてきたものが遠くにあったそのとき、彼女はひとつ悟るのだ。ヤッベぇ、倖せになって。



さぁ、たらこスパでも食べながら、5巻発売とhp掲載のスピンオフの文庫化を待つとしよう。