機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ 下巻

閃光のハサウェイ(下) 機動戦士ガンダム (角川スニーカー文庫)
――死ぬぐらいは、みんながやってきたことだ。
   ぼくにだって、ちゃんとできるはずだ。



汚いなさすが連邦きたない、っていう読後感。
結局のところ、上中下の3冊を通して燃え上がるシーンは特になし。
まぁ今回はラストだし、それなりに戦闘シーンはあったけども、Ξガンダムvsペーネロペーもわりかし地味な印象。
でも何なんだろうこの感覚――。
トミノの引力に魂を惹かれるとはこういうことか、と知らず呟いちゃうほどのパワーを感じる。
ただ、期待していたほどに「すわ、これが噂のファンネルミサイルッ……!」とはならなかったなー。
ファンネルの名を冠してるけども、要するにサイコミュ誘導によるミサイルだもんな。
当然、スパロボよろしく「ファンネルっ!」と叫ぶわけもなく。


でも、クライマックス、ビームバリアでの決着以降は凄く良かった。
銃殺刑を突きつけられ、病室で死を待つだけのハサウェイにグッとくる。
マフティーとして連邦を敵に回すと決めたときから、負ければこうなることを覚悟していたとはいえ。
クェスを殺した後悔に溺れ、またギギに心を囚われ、地球の未来を憂えてガンダムを駆った青年。
25歳だぜ? そりゃ目隠しされて今にも射殺されるとなれば叫びだしたくもなるわ……。


なのに、その後日談がもうね、悲しすぎる。
ラプラスの箱を巡る日々、バナージやミネバが未来を夢想したあの戦いから9年。
それでも地球には、父や子という小さな単位でこんな悲哀が尽きないんだもんなぁ。
こんなんアニメ化されたらマジ泣いちゃう。
でもお願いだからアニメ化してほしいという矛盾。
SFSで空を翔けるグスタフ・カールを見たいんだもん……っ!