龍盤七朝 DRAGONBUSTER 第1巻

龍盤七朝 DRAGONBUSTER〈01〉 (電撃文庫)
――お主も武人の端くれであろう、武人の上下は腕の順ではないのか?



秋山瑞人さんへ。
ミナミノミナミノ』を1冊目で半永眠させながら書いた作品など読むものか、などと言って、なァにが中華ファンタジーだまずは守人島を回転様を秦納舞部春留の物語を完結させてから、などと言ってすいませんでした。
いや、本音のところではまだその気を持ち続けてはいるんだけれど。
臓腑まで渇かされるのは今に始まった話でもないので、あえてミナミノはスルーします。
とにもかくにも龍盤七朝シリーズについて。
どうせ続きが出ないと思って1巻購入後に放置してたら、先日まさかの2巻発売の報を聞き、釣られるのを覚悟で書店へ飛び込んだら本当に2巻が積まれていて、帰宅して本棚に並べたら背表紙には本当に02と書かれていて、秋山の水色が一冊増えたことが本当に嬉しくて、だから、


――だから、やっと1巻を読み終えました。


そんなこんなの複雑な一冊。
読めば当然面白く、読みながら口角がニヤニヤ、捲る指がプルプルするのを禁じえない。
なんだろうこの感じ。
そうだ、初めて『猫の地球儀』を、『鉄コミ』を、『イリヤ』を読んだときと同じ。
これまでに読んだどの小説とも違う――異質の熱波を身に浴びるような興奮と衝撃。
作品に血が通っているという比喩は、きっとこの本を読んだときにこそ使うのだ。
感動、これをそう表わす。
ああ、こんなのは二度と味わえないかと思っていたのに、この作者は、この人は本当にひどい。
今はまだ2巻が控えているからいいけれど、その後はまた渇きの日々が始まるじゃないか畜生め。