連射王 下巻

FORTHシリーズ 連射王<下> (電撃文庫)

――俺が呼ばれなかったことに、意味をくれ、コウ。



ようやっと読み終えた文庫版『連射王』。
やっぱ今作の真骨頂は下巻から。
上巻はさながら飛び立つための助走や準備。
ラストでワンコインクリアというアフターバーナーを灯したに過ぎない。
そうして今巻、さらなる極致──ファーストプレイワンコインクリアを目指し、高村は翔ぶ。


これまで惰性で続けてきた生活が、実は自分にとっての“本気”じゃなかった。
これまで遊びとしか見なしていなかったゲームに、自分の“本気”を見出した。
そして少年は、迷いながら、間違えながら、その“本気”との向き合い方を知っていく──。
EDGEシリーズってことで、CITY・AHEAD・GENESISのいずれとも雰囲気を異にはしている。
けれど、キャラクタ一人一人の姿勢は、脇役に至るまで実に川上成分全開だ。
イチオシを挙げるとすれば、やっぱ岩田の親父さんかなぁ。次点で小山田先生ね。
岩田の親父の格好良さは

   「やるぞ」

この一言だけで極まっとる。
こういうワンシーンで不意打ち気味にグッと攻めてくるから、困るというかなんというか、電車で読んでてビビっちゃう。
くぅ〜、やっぱり川上作品は面白いぞ……!