連射王 上巻

FORTHシリーズ 連射王<上> (電撃文庫)

――結論を見ながらも、こう言えるかよ? まだ俺は本気である、と。



ハードカバーで読んだのはいつ頃だっけ?
でもせっかく新装されたし、久しぶりに読み直してみるかー、という今作(上巻)。
やっぱり、全編通して淡白な印象が強い。
それは、何事にも本気になれない主人公、高村・昴の心情を投影しているように――イヤホンから流れるピアノの音色のように。
あくまで淡々と進んでいくんよねぇ。


……ただ、上巻は『大連射』をワンコインクリアしてからが面白い。
本気になれたよ、と涙すら流す高村。
そして同時に得る喪失感と、さらに果てしない道への昂揚。
盛り上がってまいりました――というところで下巻へ続く。
うわー、こりゃいかんぜ、早く本棚から下巻を引っ張り出さなくては……。