機動戦士ガンダムUC -虹の彼方に(上)-

虹の彼方に(上) 機動戦士ガンダムUC(9) (角川文庫)

――私ひとりじゃ、言葉なんて生まれない。信じて、響きあって……支えてくれるものがなければ、なにも……。



いざ始まりの地へ!
いつも言ってるコトだけど、スタートとゴールがリンクする流れは理想の極み。
そんなこんなの最終決戦、『ラプラスの箱』を巡って各勢力は<インダストリアル7>を目指す。
実現したタクヤのフルアーマープランにより、サムライと化した一角獣が宙を駆ける。


最終決戦の幕開けに相応しく、激戦に次ぐ激戦という第9巻。
ギリギリの戦況って燃えるな……。
ただしフルアーマーによるvsネオ・ジオン艦隊は、あくまで前哨戦――GP-03Dの初出撃時みたいな感じで弾薬無双。
そこから続くvsアンジェロ・ザウパー、vsフル・フロンタル、そしてvsリディ・マーセナスのコンボが絶妙に熱いのです。
いかにもなNT超開花まつり
やっぱこれでこそのガンダム、通じないはずの独り言を通じさせてこそのガンダム……!


しかしここで1stのオマージュを絡めてのマリーダ・クルス戦死……。
マリーダさん……アイスクリームの話は完全にフラグでした。
それはそうと今回は、慣れ親しんだララァの死を改めて文字媒体で見直した感覚だなぁ、と。
三周回って新鮮。
ニュータイプの感応ってばマジオカルト。でもそこがいい。


さぁ、次巻が本当に最後の戦い。
立ち塞がるのはおそらく、燃え尽きず残った赤い彗星
魂の力場がきらめく始まりと終わりの果てで、ついに『箱』は開いてしまうのか否か。
っつーか早く読め!
とゆわけで、つづく!







お、俺のミネバ様が!

  閉じた瞼がエメラルド色の瞳を隠し、雫を散らせたのが最後の視界だった。
  バナージはオードリーの肩を抱き、互いの唇をふれあわせた。
  やわらかいんだな、と知覚した神経がとろりと溶け、ひとつに混ざりあった体温が二人の中を循環する。
  しんしんと冷える通路の空気をよそに、溶けあう体が熱を放ち、二人を核とする温かな場を周囲に拡げていった。

   ∧_∧ 
  ( ;´∀`) 
  人 Y / 
  ( ヽ し 
  (_)_)