月華美刃 第１巻〜第５巻

――娘ゆえのいらん重荷……？
　　　そんなモン……そんなモン吹き飛ばしてやるから歯ァ食い縛ってろ！

なんと濃厚な打ち切り臭……！
ああ、返しの箇所で作者が侘びてるのはそういうことか……。
とはいえ自分的には悪くないシメ方だったと思うのです。
『TISTA』もそうだけど、ダラダラ続くよりも引き締まってる感じが、その、良いと、思って……。
ダレたり滞ったりすることなく幕を引けたのは良かった、そう思っているのは本心です。

ところで、この作者の演出？はいろいろ研究されてるっぽくて超好み。
作りが丁寧っていうのかな……読んでて小気味良いというかなんというか。
動いたり気遣ったりぶつかったり、当たり前の動作一つを取って見て、キャラクタが生きてる感じがする。
ストーリーにしてもそう、行き当たりでなく、ちゃんと成長の過程を描いている。
巧い言い方はわからないけど、キャラがその記号だけに胡坐をかかず、一人の人間として歩いている――そんな感じ。

あとはなー、もうちょっとでもエロさがなー、女の子可愛いのになー。
あ、でも、安直に色恋沙汰を絡めてこないところは非常に評価できる。
今作だって、カグヤがテケトーにミクニやキルヒトあたりとくっつくんじゃないかとヒヤヒヤしたし。
いや、ミクニが陰ですげぇイイ男っぷりを発揮してるのは素敵なんだけど、だからといって無粋に色恋へ傾倒はしない。
その姿勢に天晴れと俺は言いたいのだ。

でも俺はっ、遠藤達哉氏の漫画を、もっと長期に亘って読みたいですー。