Noble Tempest

うああああああああああああああああ


ちゃ、ちゃうねん!
これはその――そ、そう、ゆ、夢を見てたの!
そうだ、なんでか俺は、学校の清掃をしてたの!
そしたら校内放送で、スクライドの挿入歌“All I need is love”が流れたの!
    
懐かしいなー、とか黄昏つつトイレの掃除に移行したの!
よく憶えてるよ、開いた小窓が三つあって、汚いながらも超爽やかな風が入ってくるトイレだったの!
そしたら急に、それはそれは唐突に、俺の膀胱に尿意が押し寄せたの!
でもどうせ自分で掃除するなら、と服を全部脱いで、すなわちゴッドモザイク全開で便器に対峙したの!


――そして放尿。
えぇえぇ、それはもう気持ち良いくらいの勢いで吐き出される黄金のなんとやら。
流れているBGMはもちろん“All I need is love”。
いつまでも止む勢いを見せない奔流を見下ろしながら、俺は──



            ◇



はい目が覚めた!
出た! ちょっと出たけど!
栓が緩んで、ノズルの先端からちょびっと出た瞬間に目が覚めて飛び起きたわ!
な、なんたる……。
これが、もうじき齢二十九になろうという男のやることかよ……。




あ、
でもよくよく考えたらきっとこれもインフルエンザウイルスの残党が仕掛けた最後のテロとかそういうのだよなそっかそうだなくっそあいつらほんと外道なことしやがるまさかここにきて寝込みを襲って尿を溢れさせるとかマトモなウイルスのやることじゃねぇよなやだやだこれだから汚いさすが単細胞生物きたない俺は霊長としての誇りを胸にこれからも堂々と宇宙船地球号のクルーを目指していこうそんな誓いを立てたのだったどうだFkv完