空の境界/未来福音



――君の視る未来は、きっと警告なんじゃないかな。こういうコトが起きるから、悔いのないよう頑張りなさいっていう。




サークル竹箒が昨年の夏に出版した同人誌です。
中には奈須きのこ氏の小説以外に、武内崇御大の漫画まで収録されているという豪華っぷり。
加えて装丁が豪華、っつーかしっかりしていて、その出来は一般同人誌のレベルを超えている。
まず手に取ってみて、掌に伝わる重量感に感動。
そしてページをめくり、当たり前だけれど目に飛び込んでくる『空の境界』の文字列に感動。
ああ……キノコノベルスを手にしたあの日から約十年、こうしてまた新たならっきょを読めるなんて、夢にも思わなかった。


とゆわけで主題は「未来福音」。
月姫』でいう瀬尾晶の元ネタとなった未来視の少女、瀬尾静音がメインの一本ですね。
そう、らっきょ本編で幹也くんに「式に関わると最後にひどい目にあう」と告げたと語られた彼女です。
まぁ今作では「幹也さんはいつか命を落とします」となっていたけど。
“ひどい目”の言い回しはとんちが効いてて好きだったんだけどなー、なんで変わったんだろ……。
あるいは本編のアレは幹也の記憶違いで、ただニュアンスとしてだけ憶えていて――とかか? うーん。
         ……と思ったら、実際は「命を落とすかも」と言われたけど、巴に話すときあえて「ひどい目に遭う」に改変してた。


ともあれ内容は非常に濃い。
今までらっきょを好きでいてよかったと思えるくらい。
以下、個人的スマッシュ箇所を箇条書きで。
     ・ネコなめるな!
     ・アーネンエルベが出るだけで滾るw
     ・倉密メルカといい後で出てくるオリガ博士といい……DDDとリンクしてないのはわかってるけどっ……ビクンビクン
     ・未来視には二つある。予測と測定。
     ・限定された未来のセンテンスを直死の魔眼が斬殺する!
     ・ふじのん! ふじのん
     ・「たとえ――たとえそれがどんなに苦しくても、この世界は綺麗だと信じて欲しい」
     ・ふじのん! ふじn(ry
     ・式が可愛すぎて死ねた。
     ・祈りは未来への福音で満ちている。


そしてラスト二本、まずは未来福音・序。
これ、舞台が2008年ってところがニクくて泣ける。
あれから十年経ったこの世界で、式も、幹也も、二人の娘である未那も、そして俺たち数多の脇役たちも、全ての未来は続いている。
……なんだこのハッピーエンドレス! たまんねぇ! スタンディングオベーション


とどめはラストエピソード。
ここで織……!
もうらめぇ、pseudo陥落た。
一生型月についていこう、そう決めた。