人類は衰退しました 第4巻

人類は衰退しました 4 (ガガガ文庫)

――原子力発電だなんて言い出したらロイヤルに止めてましたよ。




田中ロミオの妖精系エセメルヘンライトノベル第四弾。
相変わらず、チキンが走りだしたりイジメが発生したりの混沌具合。
なのに、こんなの物語が成り立つはずがねぇ、なんて考える隙は与えられない。
不思議な――なんというか、心の吊革が見当たらない、みたいな不安感、にもかかわらず絶妙の安定さ。
すわ、これが妖精さんの力なのかっ。


えーっと、今回は、二本立て。
食糧危機が訪れたクスノキの里に、謎の食料品(まぁ例の如く)が跋扈し始める「ひみつのこうじょう」編。
妖精さんの密度が高まりすぎたため、解消すべく何故か孤島生活をする羽目になる「ひょうりゅうせいかつ」編。
どちらも調停官さんがプチ冒険をすることになるけども、前巻に比べると命の危機を感じない分、安心して読めます。
まぁ充分サバイバルってはいるんだけどね。
今回はこれでもかと妖精さんのチートっぷりが披露されるので、むしろ軽快に楽しめちゃう。


ほんとね、童話っぽさに騙されて子供が手に取らないか不安になるな。
妖精さん然り、今回最大の萌えキャラ一斤さん然り。
あんな食パン、反則過ぎる。
でも真っ二つの一斤さんがいけるなら、今度は是非ネガティブ絵本のイラスト化にも期待したい。


――ところで、あとがきにあった新展開って何じゃろね?
ここ最近のラノベ業界から鑑みると、無難なメディア展開ってことで、コミカライズかドラマCD化あたりか?
予想としては「電撃大王で漫画化」に一票。
あ、あとがきといえば何気に宣伝してたkeyの新作『Rewrite』にも超期待。