ハチミツとクローバー 第1巻〜第10巻

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――人生が何の為にあるのかって
   大事な人の手を
   こういう時に強く
   握るためなんじゃないのか?




青春って、いいなぁ……(遠い目)。
気付かずに通り過ぎてしまった春を、今になってまざまざと鼻先に叩きつけられた気分。
作中で云う、野宮から見た真山みたいな感じだろうか。
もう終わったと胸の奥に封印した何かが、無理矢理ほじくり出されるみたいで痛痒い。


そんなこんなで全巻読了。
ある程度の結末は知っていたけど、それでもやや予想外だった、かな。
単純な恋愛だけに終始しないところは非常に好感が持てた。
実写映画やドラマ版のことは何も知らないけど、果たしてこの澄んだ空気をどこまで表現できているんだろうか。
怖いもの見たさで興味があるやらないやら。


読んでて、昔の恋愛なんかを思い出し、背中にじっとりと変な汗が湧いてきたり。
それはもう奇跡の介入する隙間なんて毛ほどもない見事な失恋だったもんだから、思い出しながら悶々としましたよ。
けどそんな俺に、キャラクタたちが語りかけているかのようだった。
特に竹本くんと山田さん。
彼らの言うこと為すこと全てが自分とリンクするようで、気付けば、ただ幸せになって欲しいと願わずにはいられない俺がいた。
そう、ありったけの、ありったけの幸せを、あなたに。


そしてラスト。
クローバーのサンドイッチに泣いた。
清々しくもどこか苦い、それは、最近流したことのない味の涙だったように思う。

     時が過ぎて 何もかもが思い出になる日はきっとくる
     ――でも
     ボクがいて 君がいて みんながいて
     たったひとつのものを探した あの奇跡のような日々は
     いつまでも甘い痛みとともに 胸の中の遠い場所で ずっと
     なつかしく まわりつづけるんだ