ANGEL+DIVE 1.STARFAKE

ANGEL+DIVE〈1〉STARFAKE (一迅社文庫)

――そうだね。忘れてしまう前に。



一迅社文庫創刊を記念して、とりあえず『薔薇のマリア』で有名な十文字青に手を出してみた。
主な舞台は1990年の北海道。
中学生の主人公と不思議な少女の、奇妙なボーイミーツガール。


前半は各キャラクタの顔見せって感じで、どっちかってぇと起伏のない展開。
ここでだれてしまうかなぁという気もしたけど、主人公・日比野夏彦の物事に対する見方が変わっている所為か、少し引き止められて読み進める。
夏彦については、あらすじで「温厚を通り越し」「心優しい損な少年」なんて書かれている。
それはもう、クラスメイトのDQNから「頭おかしンじゃねぇの」と馬鹿にされるくらい。
いや、これには俺も同意。
少し気味悪く感じてしまった。
ああそうだ、ちょっと話はズレちゃうけど――その不気味さは、Fate衛宮士郎に初めて触れたときに似てるかも。
過ぎた献身が理解できない、みたいな。
うーん、微妙に違うかなぁ?


中盤からは、出揃ったキャラクタ達が動き出して退屈しないか。
特に双子――真鳥姉妹がたまらない。
依慧かわいいよ依慧。
技のネーミングセンス皆無なところがまた素敵。
でも、一人称「オレ」の女性キャラを見るとどうしても霧間凪が脳裡に過ぎってしまうのをどうにかしたい。
癖か。癖なのか。
かどちんの呪いなのか。


で、終盤、まさかの異能バトル展開。
えー、正直燃えないんですが……。
魔法使いという要素は少なからずpseudoにトキメキを与えることは間違いないはずなんだけど。
うむー。
ともあれ、話は全部終わったはずなのに謎を放置、そして次巻へ続く。
しかもエピローグは、これなんて『まほろまてぃっく』?
いったい七年の間に何がー!?
……各所で「この作者は登場キャラに対し容赦がない」という意見を多く耳にしてgkbr。


とりあえず妹の秋葉に出番をもっとあげてほしい、です。


あと、依慧様による筆下ろしシーンも、お願い、します。


あ、あと、陰陽師ならぬ陰猫師云々はコーヒーふいた。