それだけが私の望みです

映画『クローバーフィールド/HAKAISHA』観てきたー。
ネタバレあり。伏せる気なし。
酔うぜ酔うぜと聞いてはいたけど、車酔いしない自信もあったし、楽観的に劇場へゴー。



……開始五分程度で酔いました。



ウボァー、なんだあのカメラワーク。
いや、わかるよわかるよ、ホームカメラ的な演出とか。なかなか引き込まれる空気感。
でもな、街中を歩きながら視点を足下へ下ろしただけで、なにか熱いモノが込み上げてきたり。
もちろん涙とかでなく、胃液的なナニかですが。
冒頭のサプライズパーティのシーンなんて、正直、意識半分くらい現実回帰してたもんよ。
話しについていかなきゃと思う頭と、スクリーンなんて見てらんねぇと思う頭が衝突。
ぶっちゃけ、映画どころではない気分に。


でもまぁ……街に衝撃が走り、世界が緊迫感を帯び始めたあたりからようやく俺の意識も銀幕の向こう側へ再突入する。
激震、爆炎、そして例の、吹き飛んでくる自由の女神の首。
おおこのシーンってこんな冒頭から抜粋されてたのかー、なんて思う間もなくパニックが始まった。
というには、結構みんな冷静じゃね?
火事場泥棒よろしくどさくさに紛れて電器屋襲撃してた連中は、あるあるwだな。


と、このあたりからビルの合間に“それ”の姿が散見されるようになってきた。
巨大な体躯は、まるでゴジラかなにかの――いや、GODZILLAを彷彿とさせる雰囲気で。
要するに、爬虫類っぽいなぁ、なんて思ってしまった。


とにもかくにも逃げ惑う人々。
いきなり死ぬ奴。
しっちゃかめっちゃかにもかかわらず、ピンチに陥った女を助けに行くとか言いだす奴。
んで、それについていく撮影係の主人公。
この主人公……いや、主人公は、助けに行くとか言ってる奴かもしれんけど、いいや、とにかく撮影係の奴がさ、まぁウザいのなんのって!
特に地下鉄のシーンなんてもう、なんでついてきたんだー、と追い返したくなるくらい。
きっとこいつとしては場を和ませたかったんだろうなぁ。
でもダダスベり。
あぁそんな奴もいるいるw笑い取ろうとして下ネタに走るも周り(特に女性陣)がドン引きで、でも本人に自覚があまり無い、みたいな。
この言葉は好きじゃないけど、実に見事なKYだよね。
そら愛しのあの娘も避けるわ。


――で、まぁいろいろあって終わり。
軍隊出張って頑張ってるシーンあるし、小粒クリーチャーに噛まれた人をアレしてるシーンとかある。
でも、結局のところ、主人公ら(一般人)にとってわからんところはわからんままだった。
まさに「街中に突然怪獣が現れたらおまえらこうなっちゃうぜ的」なパニックムービー。
撮影係の無惨な最期でようやくその“怪獣様”の全景が見えるけども、うーん、やっぱりそんな目新しいモノでもなく。
そのへんにいるクリーチャーでした。
一飲み。
ボリボリ。


ホームカメラならではのラストシーンも、なんとなくありがちかなぁ、と。
けど切なかったな。
ただ、ここで圭一@鬼隠し編が想起されなければ感動もできただろうに……!


直後の繋ぎは秀逸。巧すぎだ。切なさ五割増。
テープを重ね撮りしたという演出のため、シーンの隙間隙間に挿入される“幸福な過去”が膝打ちモノ。
その極みがラストに鋭く突き刺さるという設計に惚れたわ。


しかし、やっぱり最終的にどうなったのかが気になるところ。
マンハッタン周辺は焦土?
続編をやるみたいな話は聞いたけど、果たして観に行くかどうか……でも物語的結末はすげぇ知りたいな……。
なににしても、印象としては、ものっそい話題になったわりにはB級っぽかったなー。
世間でウケるとは思えんが……。



最後に。
エンドロール後、「絶望した!」とか言いながら劇場を出た男。
おまえそれ言いたいだけちゃうんかと。



あ、あともう一言。
HAKAISHAってダサくね?