SPOOKY

SPOOKY (アルファポリス文庫)

――積み重なったキモチを踏みしめ
   色あせてゆくキセツを拾う
   立ち止まれずに、忘れられずに
   今日もいつか、思い出になる




銀の指輪、トルコ行進曲、昔のバイト仲間との再会――そしてドイツの片田舎グラスラグラス。
それは口下手な誰かが囁く言葉のように訥々と。
不思議な既視感に導かれるようにして、やがて悲しすぎる記憶の先に辿り着く。


とゆわけで退屈に任せて適当に買ってみた本。
椙本孝思なんて全く知らなかったし、まずアルファポリス文庫なんてものの存在からして初耳だった。
けど、悪くなかったかなー。
まぁ諸手を挙げて傑作、とは言えない感じだけど。
ほんのりと紡がれる過去の記憶につきまとう奇妙な影は、ホラーというよりファンタジー色。
決して心温まるというわけでなく、たしかに後味の悪さは否めないけれど……もう帰らない頃を、仄かに切なく思い出す。
ツン、とくるね、なんだか。