いいや、まだ終わらんよ

ちょ、ちょっと待って、みんな落ち着いて!
ヱヴァが凄ぇ凄ぇと騒ぎ立てて、やれ綾波が綺麗だのまーた渚カヲルが意味わかんないコト言ってるだのヤシマ作戦が熱いだの、いったいこれいつの時代の会話だよ! っていうか、
俺も混ぜて。



もはや宇多田ヒカルがどうこう言う気はさらさらない。
予告編を目の当たりにしてやにわに躍動した胸の鼓動を錯覚だったなんて、もう言わない。
信じるものは十年前に置いてきた。あとは再び手を伸ばすだけ。
なんだかんだ言って俺にとっては、全て――そう紛うことなく『全て』――の始まり、起源にあたるこの作品。
感動も非難も絶賛も困惑も全部ひっくるめてあの頃の俺は、こいつとともに生きていた。
エヴァエヴァエヴァ。よろしい、ならばヱヴァンゲリヲンだ。
ああ、俺という存在がエヴァを観ないなんて答えは端ッからありはしないし、こいつに関しては仕事の忙しさにかまけて他の人に遅れをとるなんて許されない――そのはずだろう?



さぁ、今一度夢を見に行こうか。