カナスピカ

カナスピカ

――加奈がそう言ったことは記録しておく。
   そうしたら、ここは本当にぼくにとっての特別な場所になる。




なんて清々しい読了感。
ラストシーンでは、荒んだ気持ちが晴れていく、まるで起き抜けに思いきり開けたカーテンみたいな音がした。


というわけで『カナスピカ』。
SSMGの人の日記さんとこでイチオシされていたのをきっかけに購入。
そこにはたしか読んだときの感覚が『星虫 (ソノラマ文庫)』に比較的近い云々と書かれていたように思うけど、俺は何故か『スキップ (新潮文庫)』を思い出したり。
……どちらにしても学生の頃の淡い記憶なんだけど。
なんかこう、ちりちりと耳の後ろが痒くなるのなー。


ああ、本を閉じてからふと見上げた空は広くて青くって、今にも俺の目の前に人工衛星が降ってきやしないかと待ち詫びる。
……美少女に変形するやつ。