鳥海

午後三時までかかった仕事を終え、ようやく昼食という名のカップ麺にありつきながら、ふと思った。
――あー、スガキヤ食いてぇー。
あの豚骨なんだか何なんだか判然としないスープ、謎の先割れスプーン、180円で出てくる五目ご飯、そして愛らしいんだかなんだかもうわかんなくなってくるマスコットキャラのスーちゃん。
以前はダイエーだかジャスコだかの飲食店フロアで大抵その看板を見つけることができた。
そしてそのたびに不可視の引力あるいは魔力といった類のモノを感じ、次の瞬間、既に俺の手には小さな食券が握られていたものである。
おばちゃーん、特製ラーメンセットひとつー。
思い出すだけで涎がナイアガラ化して困るのだけど、生憎関東圏でスーちゃんの勇姿は見られない。
やっぱ愛知(中部or東海?)以西でしか繁栄を許されない味なのかどうなのか。
そんな風に駄考を侍らしていたらお腹が鳴ったので、夕飯を食べに行ってきます。