化物語 下巻

――必要なときにそこにいてくれたという事実は、ただそれだけのことで、何にも増して、ありがたいものだ。

や、やっと読み終えた。
買ったのは発売とほぼ同時で、読む機会というか気の巡りに落ち合えずいたんだけど、さっき眠気覚ましに本棚から取り出したら一息に終えちゃったよ。
さすがは西尾維新、軽妙な文章で読ませる読ませる。
できることなら続きを書いてほしいし、趣味だなんて言わずにいっそこれも本業に組み込んでくれよ、って思うくらい楽しい作品でした。
いや、でも今月発売予定になっている『刀語』は、今作系の路線なのかな。だったら嬉しい。
ただでも、時代物とか大河ノベルとか謳ってるしなぁ……どうなるか少し不安。買うけどさ。

さて上巻に続き、やっぱキャラ同士の掛け合いの面白さが秀逸。
ヴァルハラコンビや委員長、俺の中で前回ベストだった八九寺真宵、そしてビックリドッキリ（妹ポジションの）新キャラである千石撫子――出てくる女性陣の素敵なこと素敵なこと。
ああ、なにより最強だったのは勿論、主人公にして突っ込みマイスターのぼらら木さん――もとい、人という字に儚いと書いて、阿良々木暦ですよな。
こんな風にトんだお喋りが実際にできたら楽しいだろうなぁ、さぞや。
内容としては、あくまで「楽しさ」重視。
残るものや少しくらい重いところもあるけど、全体として楽しく読める傑作でした。