詐称

だ……だ……だ……ッ!
騙された――――――!!
全ッ然、合コンでもなんでもなかった!
若い女の子なんて一人とていなかった!
こんなことなら家で『DMC』の新刊を読んでクラウザーさんを見ていた方が幾分マシだった……!


入れていた気合いが空転する音が聞こえる。
身嗜みとかいろいろ気を遣っていた数時間前の俺にもう一度会えるのなら、夢ばっか見てんじゃねぇよこの馬鹿野郎とでも言ってやりたい。
ああ、俺の心の吊り革を返してくれ。
もうほんと肩透かし。
やっぱこれは、真なる想いを無碍にした罰なんだろうか。