天使のレシピ

天使のレシピ (電撃文庫)

――レンアイしてる人どうしは、みんな呪いをかけあってるの。




電撃文庫の新刊、今月はコレと『ブギーポップ』と『9S』、そして『とある魔術の禁書目録』の計四冊を購入。
まずはその斬り込み隊員として今作――第12回電撃小説大賞<選考委員奨励賞>受賞作に手をつけた。
ぶっちゃけ、あらすじで「呪い」やら「呪術」なんて素敵単語が並んでいたから、てっきりダーク路線の作品なんだと勘違い。
それこそ先月の『ぼくと魔女式アポカリプス』みたいな感じを勝手に想像していた。
しかしイラストは松竜氏。
仮にあらすじを知らなかったとて、金髪碧眼天使少女というだけで表紙買いは必至だっただろう。


で、肝心の内容はというと――何かしら異質な感情(あるいは欠落)を持った高校生たちの様々な恋愛模様を描いた(でおk?)短編集。
正直短編集という形式はあまり好きじゃなく、その事実を知ったときは伸ばしかけた食指が止まりかけたりもしたのだが、いやいや、そこは抑えて一気にぶっ通し読了。
好みの順序的には「超告白」>「恋愛実験」>「ソラヲトベ」>「トランキライザーキス」だろうか。
特に「超告白」の雰囲気が絶妙に好き。
二人の関係が実に快く、読んでいて羨ましさに身悶えするくらい。
ああ、俺も女の子と真剣に「徳川家康の天下統一は運による要因が何割を占めてるか」について語り合ってみたい。
っつーかそんなコトをできるカノジョとか欲しい。
でも雪宮さんみたいなカノジョも欲しい。


ともあれ全編において好き好きオーラというかカレシカノジョでうきうきコスモみたいなのが垂れ流されており、読んでいて恥ずかしさの前に鬱度が増したのは事実。
幸福感に溢れた作品ってのは良いんだけど、ここまでちゅっちゅされると、たまーに放り投げてやりたくなるぜ畜生。


あとあのあとがきのセンスは何ですか。どこの幻想公園でスワンボートですか。神出鬼没のおじいさんが素敵。


さて、それじゃあ久しぶりに『CROSS†CHANNEL』を起動するかね。