基礎音律

夜勤から帰ってみると、玄関先に小さな包み。
これを視界に捉えた瞬間、俺の感性は獣に立ち返った。
喉の奥から沸き立つのは獰猛な唸り声、そして、滝水のような唾液の渦。
その勢力で押されるように俺は、段ボールの隙間に貧弱な爪を挿し込み、力尽くに箱の立体構造を破壊する。
多少頑丈とはいえ、所詮は紙。
この程度の防御で遠路遥々我が家までやって来たとは畏れ入る。


果たして、披かれた箱から現れたのは、またもや箱。
それはそれはいつか見た、遠い遠い夢まぼろし
俺が――否、我々が何年も待ち焦がれ、いつしかその存在自体を疑い始めてすらいたモノの具現。
そんな夢想に漸近した泡沫なる宝物が、今、目の前にあるという奇跡。
名を『魔法使いの夜』。
かのTYPE-MOONが現世に送り出した、新たなる究極の産物。


どうしようもなく興奮に狂った心臓が破裂しそうだ。
おお、 炸裂よ――!

魔法使いの夜 初回版 (Amazon.co.jpオリジナル特典ポストカード付)

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とゆわけで、やっと開封しました、まほよ。
本当に日の目を見るとはなぁ……月姫時代に青本読んで妄想膨らませてた頃が懐かしい。
とりあえず今週末はドップリ往かせていただきます。