どうか前に進めるように

なんとか漕ぎつけたよ今日のライブ!
そう――坂本真綾LIVE TOUR 2011“You can’t catch me”in大阪国際会議場ォォ!
何故かチケットが二枚あるんで、旧友を誘っていざ戦いの地へ。
    
中之島駅2番出口で16時に集合した俺たちは、混み出す前に物販を攻略しておかんとす。
とはいえ、もしもの場合に備えて通販で粗方購入を済ませていたpseudoに隙はなかった。
とりあえず会場限定のクッキーとチャリティポストカードを購入。
USBはなー、ギリギリまで迷ったんだけどなー。
ここは、普段なら買わないポスカを買ったことで穴埋めとしてみたり。


開場までの約一時間を場内の喫茶店で潰し、ついにホールへ踏み入る我々。
座席は左の端だけれど、臨む気持ちは皆同じ。
気合いを入れるため目薬点眼。
こうして待つことしばし、低く鳴り渡るブザー音が開幕を―― “You can’t catch me”の始まりを告げたのだった!



         ◇



ここで、セットリストをご紹介。

  01  eternal return
  02  秘密
  03  キミドリ
  04  美しい人
  05  みずうみ
  06  アルカロイド
  07  スピカ
  08  手紙
  09  キミノセイ
  10  Remedy
  11  ねこといぬ(インスト)
  12  悲しくてやりきれない
  13  ムーンライト(または"きみが眠るための音楽")
  14  ユニバース
  15  風待ちジェット
  16  Private sky
  17  Get No Satisfaction!
  18  マジックナンバー
  19  光あれ
  20  トピア


   encore
  01  ボクらの歴史
  02  everywhere
  03  ポケットを空にして

まずはツアータイトルにもなってるとおり、ニューアルバムの一曲目&二曲目、eternal return秘密で幕開け。
おお、エタリタってこんなに胸を掴んでくる曲だったっけ……!?
びしびしと伝わる音響と烈震。
ただし後者はアレだなぁ、なんていうか、演奏音の方が唸りを上げすぎててボーカルがやや聴き取りにくく感じたかなぁ……?
とかなんとか思案してたら、想定外のキミドリがきちゃった!
なんとまさかの(そして今更のw)タイトルの由来解禁。
キミドリは当初、世話になった劇団名にかけて「こまどり」になるはずだったんだよ!! な、なんだtt(ry



さてMC。
アジアンテイストなワンピース可愛ぇなぁ……とか。
うん、あの、あれだ、どーしたものか。まぁいいや。
美しい人みずうみの流れでしっとりムードになったかと思いきや、まさかのアルカロイド攻めktkr!
すわ、武道館でのショートver.はこのための前フリだったのか!
うねうねと続くっ……! 黄色い煉瓦の道っ……!



またもMC。
ってか正直、どこのMCで何を話してたかが曖昧になってるんよねぇ。
イカ焼きのネタが頭にこびり付いてて、他のいろいろなものが吹っ飛んでいった感があるなww
で、スピカキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
この曲、好きだわ……なのにC/Wのせいか知らない人が多いらしいね? んー、勿体ない。
続けて手紙キミノセイRemedyと流れて、まさかまさかのいぬとねこ
なんてこった、いぬとねこ……いぬとねこだと……!?
い、いぬと、ねこ……!



――さてここで衣装チェンジ。
シンプルな茶色のワンピースで落ち着いた雰囲気のマーヤ、とても素敵です。
その雰囲気に沿うように、いったんバンドを退かせて再びのしっとりパートはじまりはじまり。
悲しくてやりきれないムーンライト、そして青い灯ユニバース
特にぞわわっと来たのは悲しくて〜だったり。
これには自分でも驚いたんだけども、正直なところあんまり好きになれなくて、CDでは数えるほどしか聴いてなかったこの曲。
それが、え、なんですの? この衝撃、未知数。
しかもここで早着替え!
畜生、チクショウっ、このマーヤ、下に派手なマーヤを仕込んでやがったッ!



そしてここからが駆け抜ける嵐タイムですよ!
あ、でもまず言わせてください――風待ちジェットにおける手振りの来るぞ来るぞ感は異常wwwww
あれはズルいというかなんというか。
ただ、いまだに恥ずかしくて躊躇ってしまう自分が憎い。ぐぬぬしちゃうレベル。
――まぁそれはさて置き、こっからのハイテンション3連発(Private sky、GNS、マジックナンバー)はマジで神懸かってるから困る。
なんかね、爆発するかと思ったね、脳が。
んで極めつけが光あれでしょ?
クライマックスの「満ちあふれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」で脳汁出すぎて止まらんかった!
ここまで立ち続けた足の痛みとはまた違う意味で足が震えたなぁ……。



そんなこんなでラストの一曲へ。
故郷を映す詞を――そう想って目を閉じれば、無骨な朱の鉄塔が瞼の裏に浮かんだのだという。
其の色はトピア、旅先から帰るべき地を静かに唄う歌。
とかなんとか言っといてアレですけど、マーヤ兄のエピソードは初耳すぎて沁みた。
そして、マーヤ母の強すぎる強さにシビれた。
大事な人が帰ってくると信じているのなら。
帰りを待つ者は、いつもどおりの日常を送らなければならない。
いざ彼が帰ってきたとき、その人の居場所がなくなってしまうから。
だから、待つ者ほど――祈る者ほど元気で在り続けなければいけないのだ。



……ざわつく場内。
いつも書くけど、鳴り止まないアンコール。
改めて舞台に上がった坂本真綾は赤いライブTシャツを着て笑顔を見せた。
ぐあー! 襟ぐり広い! 動くとはだけて、か、肩が! 肩がー!
なんて、エロス。
あ、アンコール一発目はボクらの歴史でしたよ?
こんなときだからこそ、未来を臨む歌を。
安全圏にいる俺みたいな奴が言えたもんじゃないけど、そんな心意気を示した誰ぞのメールに感動した!
そう、生きている限り! ボクらが変えてゆく! 生まれたからには! ボクらが切り拓く!
なんか、これを聴けただけでも今日という日に意味があったと思える……!



さぁラスト!
二時間強のライブを締め括るのは、ちょうど産み落とされて一周年になるeverywhere、そして例の如くポケ空ですよっと!
しかも今回は合唱ムードをより強化した感じになってて、会場の一体感がハンパない。
端の席でこれだったら、もし中央付近の席で唄った日にゃどうなってたんだろう……。



         ◇



――総括。
すっげぇ力強かった!
きっと彼女自身悩みに悩んだ末のライブだったからこそ、きっと慎んで落ち着いた感じのライブになるだろうと皆が思ってしまっていたからこそ、日本中が少し弱気になってしまっている今だからこそ――空元気でもいい、彼女は前に立って、その力を示してくれたんだと思う。
時折マイクが割れるほどの彼女の叫びを、決して忘れちゃいけない。
俺たちにできることは数少ない。
だけど、そこに無力感を見出す必要なんて決してないのだと。
……とかなんとか思いを馳せながら帰路に着く二十七歳、冬の夜。
因果の交差路でまた会う日まで、日常という旅に帰っていくのであった。まる。